上がり框(あがりかまち)とは、玄関で靴を脱いであがる段差のところに設けられる横木のことです。
あの段差、何のためにあるのか気になりませんか?
それは、日本人は靴を脱ぐ習慣がありますので、砂や泥が部屋の中に入って来ないようにするためです。更に靴の脱着は適度な高さのものに腰かけて行う方が安全で使い勝手が良いので日本の玄関には段差を付けているそうです。
上がり框に腰かけて、ご近所の方と世間話なんてこともあるのではないでしょうか。
私はサザエさんで飛び込みの営業マンが腰かけている描写を思い浮かべてしまいました。
ことわざにも「家には無くてならぬものは上がり框と女房」と言われるほど、日本の家には無くてはならないものとされているんです。
そんな上がり框に塗料が付いているので落とすことは出来ませんかと現場監督からご相談が御座いました。
お施主様から電話があったらしく、現場監督も見ていないので一緒にお伺いする事になりました。
【before】
写真では見えにくいのですが、薄っすらと赤くなっており結構目立ちました。
軽く擦って見たのですが、塗料が付いているのではなく溶剤か薬品によって赤く変色してしまったような感じでしたので、塗料を落とすのではなく上から着色することに致しました。
お施主様が補修に大変興味があるらしく、ご自身でも色々と補修をされているとの事で、私の作業を見ながら「楽しい仕事だね。私も若ければ補修の仕事をやりたかったなぁ」と仰っておりました。
このような明るい色は調色が難しいのですが、お施主様と一緒に「もう少し赤味が必要かな」などお話をしながら色を作りとても楽しかったです。
【after】
お陰様で良い色が作れ塗装し最後に艶を合わせたら赤い染みは殆ど見えなくなりました。
お施主様からも「全然分からないし大丈夫!!」と仰って頂け完成と致しました。