天井の割れを補修出来ないかとご相談を頂きました。
イメージが沸きませんでしたので、現場を見てからのお返事とさせて頂きました。
【before】
この天井はラミネート天井と言い、薄い板に木目調のプリントが施されている素材でした。
無垢木材の代用品としてコストが抑えられるので、和室に多く使われている天井です。
2階をリフォーム中、大工さんが誤って工具を落としてしまい1階の天井がこのように割れてしまったそうで困っておられました。
張替えとなると大掛かりな工事になりますが、幸いに補修が出来そうでしたので引き受けさせて頂きました。
黒く見える箇所はプリントが剥がれてしまっているからです。築何十年も経っておりましたので劣化もありました。粘着力を弱めたマスキングテープでも貼ると剥がす時にプリントまで剥がれてしまうので使えませんでした。
更に割れた部分を大工さんがボンドで補修されていましたのでリカバリも含めて下地処理が大変でした。
少しサンディングするだけでもポロポロとプリントが剥がれてしまうし、マスキングテープが使えないし、なによりも脚立に乗って上を向きながらの作業になりますので体力を使いました。
そのため時間を掛けて少しずつ作業を進めて行きました。
接着剤やパテを使って割れを補修し調色して塗装しました。
写真だと赤味が足りないように映っておりますが、肉眼ではオリジナルの色とバッチリ合って見えます。このような素材は撮影すると色味が浮いて見えちゃうんです。お施主様からも「凄いもんだねぇ~これで完成でも良いんじゃない!?」と仰って頂けました。
ここから木目を描くのですが、木目は描きすぎると黒っぽく仕上がってしまいますので、オリジナルよりも少なめに描き込みます。
たまに離れて見ないと木目を描きすぎてしまいますので、脚立を何回も上がり下がりを繰り返しての作業となりました。
【after】
完成!!
もう何処を補修したのかが分からなくなりました。
お施主様からは何回も「凄い凄い!!」と仰って頂けました。
通常の作業よりも時間は掛かってしまいましたが、張替えを行わず綺麗に仕上げられ私も一安心いたしました。