開業前の私は長く介護職に努めていました。
多いときには3店舗をまとめておりました。茨城放送の介護に関する番組に生放送で出演させて頂いたこともあり良い思い出になっています。
ただ、私は昔からサラリーマンではなく個人で事業をしたいと強い願望を持っていました。
両親は水戸でブティックや喫茶店を経営しておりましたので、子供の私にも商人の血が流れていると言われていましたが、何を始めたら良いのかが分からず本気になれることが見つからずにいました。
そのままズルズルと40歳を超えていました。
介護の仕事は好きでした。
管理者としての立場でしたので、スタッフの管理やお客様とのやり取りで多忙な毎日でしたが、お客様からは感謝して頂け、優しいスタッフに囲まれてとても遣り甲斐がありました。
ただ、不満を言えば賃金でした。残業が多く休みを返上して出勤しても、結果を残しても毎月の給与は変わらず、激務の中どんなに頑張っても反映はされませんでしたので。
それは仲の良い同業他社のスタッフと話しても思っている不満は一緒でした。
介護業界にも処遇改善加算の制度が出来てから少しづつ報酬は上がって来ましたが、それでも仕事量に見合った報酬を頂いているスタッフは少ないように私は思います。
大きなキッカケは人事異動でした。「遠方の営業所を任せたい」と上司からの言葉。
それを聞いた時、本当は断りたかったんです。通勤が遠くなるし、何より給料が1万円以上も少なくなるんです。
これは降格したのではなく、同じ立場で同じ時期に同じ会社に入社しても、東京と地方では給料に差があります。もちろん東京の方が給料が高いように、そこの営業所の所属になると減給になるんです。
でも、そこの営業所のスタッフはその給料で働いていますし、管理者の私が愚痴ることは出来ませんでしたので半強制ではありましたが、必要とされているのならばと異動を決意しました。
しかし、年間15万以上の減給。。1ヶ月分近くの給料が無くなるのと同じですので、現実では綺麗ごとは言えなくなっていました。
この時期からそれまで以上に個人事業を始めたいとの思いが強くなり、フランチャイズのことを知りました。
当初のフランチャイズのイメージはコンビニだったのですが、調べていくと沢山の業種がありました。いずれも未経験でも始められるものばかり。
中には怪しく思える内容も御座いましたが、フランチャイズはノウハウを教えてもらいながら開業が出来るので興味が湧きました。
介護の仕事をしながら資料を取り寄せたり、休みには説明会に参加したりしていました。
開業を考えるだけではなく行動に移したのは初めてでした。
そんな中、トータルリペアに出会い興味を持ちました。
研修センターを見学させて頂いた時に「これを仕事でやりたい!」と思えました。
もともと手先が器用でイラストを描くのが好き。プラモデルとか物を作るのが好きな私は補修で木材やサッシを修復させる技術に惚れ込んでしまいました。
ただ、そうは言っても会社にも話しておりませんし、何よりこの時は家内にも詳しくは話してはいませんでした。。
その後も、何も変わらず努めていましたが「補修業」が頭から離れませんでした。
でも仕事はやりがいはあるし。。
何より失敗したら生活が出来なくなるし。。
そんな事を考えながら月日は過ぎたのですが、脱サラを決意する出来事がありました。
それはまた人事異動です。
更に遠い営業所でした。。私は「異動して営業所を立て直してきて欲しい」と上司からの熱い説得に即答出来ませんでした。給与も変わりませんし今以上に激務になるのも目に見えていましたし。。
頑張りは評価には繋がります。そのため評価が高ければ、出世して給与は変わります。しかしこの時の私は出世ではなく、開業のイメージしかありませんでした。
帰宅し家内に思いを打ち明けました。
「補修の仕事で開業をしたい」
次の日、私は上司に退職の話をしました。
引継ぎや人手不足の問題を解消出来るまで半年間は介護の仕事を続け、その後円満退職してトータルリペアに加盟しました。
あの日、家内からは「応援するから頑張って!」と言われました。
日々の私の言動で心には決めていたそうです。
その相談をしたのは結婚して丁度10年目の月でした。
家内も悩んだと思いますが、10年間一緒に居ますので、私の性格や特技などを良く知っており、補修業の仕事に向いていると感じてくれたそうです。
2020年6月に念願のトータルリペアゆきやさんを開業しました。
これからは、全て1人で仕事を探してこなしていかなくてはなりません。
補修業は新築の仕上などには無くてはならない業種になりますので、殆どのハウスメーカーや不動産業などには既にお取引している補修業者があります。
そのため後から参入した個人事業主の私には厳しい環境なんです。
しかし個人事業だからこそ持つ魅力やフットワークの軽さがありますので、それを活かして頑張って行こうと思います。
そんな私が、ひとつひとつ丁寧に仕上げた補修事例を少しずつでは御座いますが更新して参りますので是非ご覧になってください。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
末永くご愛顧頂けますよう何卒よろしくお願い致します。